ラブラドール雑学
ラブラドールについて、色々な方面から勉強した資料などを掲載しています。
ラブラドールは大型犬ですので、家族として迎える際には、その一生を全うするまで
元気で、矛盾無く、最良の伴侶として共に生きていく為に、少し勉強してみませんか?
1)ラブラドールのスタンダード基準
まずは、ラブラドールのスタンダード基準をチェックしてみましょう。
スタンダードとは、その犬種の標準と言うべきもので、ドッグショーなどに於いては審査基準
にもなります。通常私達は、ジャパンケネルクラブ(JKC)のクラブ員ですが、ラブラドールは
日本固有の犬種ではないため、殆どは海外からの輸入犬が元になっています。
特に原産国の英国のラブラドールは、今も私達ブリーダーにとっては目標となっており近年になり
数多くのラブラドール達が、日本に輸入されています。そこで、ここでは日本に於けるJKCのスタ
ンダード基準と、英国KCのスタンダード基準を載せてみました。
A、ラブラドールのスタンダード(JKC版)
http://www.jkc.or.jp/dogs/group8/12.html
JKCのスタンダードについては、上記(JKCホームページ)にアクセスしてご覧下さい。
B、ラブラドールのスタンダード(KC版)
ラブラドールの原産国であり、今も世界のトップブリーダーと言われる犬舎が多くある
英国KCのスタンダードを掲載しました。
ラブラドール・レトリバー 品種基準(1986年改訂)
(ザ・ケンネルクラブの好意ある許可により転載)
「総合外見」 |
力強い体格、短胴、たいへん活発、横に広い頭蓋、胸から肋骨にかけては横に広く、且つ深い。また横に広く強靱な腰部と後ろ四半部 |
「特徴」 |
いつも上機嫌、たいへん機敏、優れた嗅覚、穏やかな鳴き方、水を好む。順応性があり、献身的な友となりうる |
「気質」 |
知能が高い。鋭敏で従順。人に喜んで貰おうと一生懸命になる。優しい性格、攻撃性や過度の内気性はかけらもない |
「頭部及び頭蓋骨」 |
横に広い頭蓋で、くっきりとした「ストップ」、頬に肉の付いていないはっきりとした顔立ち。顎は中くらいの長さで強力、しかし攻撃的ではない。鼻は広く、鼻孔はよく発達している。 |
「目」 |
中くらいの大きさ。高い知能と穏やかな性格をよく表し、色は茶か栗色。 |
「耳」 |
大きくなく、重くもない。頭に接近して垂れ下がっている。どちらかというと頭の後ろの方に付いている。 |
「口」 |
顎と歯は強く、完璧で典型的なフルセットのシザーバイト。上歯と下歯が接近して重なり、顎に対して直角になる。 |
「頸部」 |
すっきりとして力強く、かっちりとした肩に繋がっている。 |
「前四半部」 |
肩は長く、傾斜している。前肢は骨がしっかりしていて、正面から見ても側面から見て肘から下は真っ直ぐである。 |
「ボディ」 |
胸は幅、深さ共に程よく、樽のような形で弾性のある肋骨。水平な背線。腰は広く、短くて力強い。 |
「後四半部」 |
良く発達し、尾に向かって傾斜しておらず、程よく曲がったステイフル。飛節は適切に下りている。カウホックは非常に好ましくない。 |
「足」 |
丸く、コンパクトでアーチ形になったつま先、良く発達したパッド。 |
「尾」 |
根本に向かってとても太く、先に向かってだんだん細くなっている。中ぐらいの長さで飾り毛はない。しかし密集した短く太いコートで厚く覆われているので、このような円筒状の外見からカワウソの尾(オッターテール)と言われている。巻きあがっていてはいけない。 |
「コート」 |
短く密集しておりうねりや飾り毛はない。かなり堅い手触りで、アンダーコートは防水性に富んでいる。 |
「色」 |
漆黒、黄色、レバー色もしくはチョコレート色。黄色は薄いクリーム色からきつね色まで幅広い。胸の小さい白斑は許される。 |
「サイズ」 |
理想的な高さは雄56−57cm、雌55−56cm。 |
「規格外」 |
上記の点からの逸脱は規格外と見なされる。 |
「特記」 |
雄は2つのはっきりとした睾丸が陰嚢に完全におりていないといけない。 |
2)ラブラドールの遺伝性疾患(股関節及びエルボーについて)
ここで取り上げた「股関節及びエルボーの形成不全」については、以前より「腰が悪い」など、
口頭では話題になっておりましたが、細かな情報や知識については2003年に日本で待望の検査
機関であるJAHD(日本遺伝病ネットワーク)が発足し近年ようやく意識が高まってきました。
JAHD発足事前調査では、ラブラドールの「股関節形成不全」率は、実に47%に上っています
これは、それまでの知識のない乱繁殖による結果だと思います。
これからは、ショードッグや家庭犬、または繁殖の有無に拘わらず、私達が先頭に立って将来生まれ
てくる子犬達の健全性向上に努めていく事が大切です。
詳しくは、JAHDホームページ http://www.jahd.org/にアクセスして下さい。
3)ラブラドールの遺伝性疾患(PRAについて)
股関節やエルボーの形成不全と共に、ラブラドールにとって脅威となるのが「進行性網膜萎縮」です
こちらは、ラブラドールのDNAが解明され(progressive retinal atrophy、PRA)、2005年より
DNA検査が可能となったことで、これからは子犬の発症を100%コントロールできるようになり
ました。
詳しい記述は、私達で立ち上げている LRBCJ(ラブラドール・ブリーダーズ・クラブ・ジャパ
ン)のホームページ、http://heartland.geocities.jp/lrbcjp/index.htmlに書かれていますので、是非ご一読
下さい。
また当クラブの活動として、2007年開催の「群馬ラブラドール単独展」に於いてPRA集団検診
を実施いたしました。PRAの遺伝子診断は、現在国内に検査機関がないため、検体の海外送付や
書類などを一括して受け付けました。
今後、この検診は続けていきたいと思いますので、実施予定などはブログでお伝えいたします。
私のHPをご覧頂くと、私が遺伝病検査の重要性を力説している
事を感じられたと思いますが、ここで誤解の無いように追記を書かせて頂きました。
私は、遺伝病及び遺伝病検査について以下のように考えています。
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最近獣医学の発展で、様々な病気が解明されてきましたが、最も重要なポイントは、
その結果を受け取る側、つまり私達人間がしっかり理解することが必要だと言う事です。
「様々なテストを受け、結果を知る事は、それらはブリーディングにおいて、きちんと生か
され、また不幸にも遺伝病が発覚した子達が、その生涯を少しでも元気で楽しく暮らせる為
に使われるべきもので、問題の遺伝子を持った個体をあぶり出すためのものではない」
ということを良く理解していきたいと考えています。これを間違うと、これら全ての検査の
意味が悪い方向に向かいます。私達受け取る側の知識が曖昧で、また考え方も未熟な場合には、
問題の個体の悪口を言ったり、まるで悪者のような扱いをする結果になりかねません。
これでは何の意味もありません。
「検査をすること」で、問題の犬達をあぶり出すことではなく、「検査をしないこと」で
起こる不幸を無くしていく努力を、私達全員が今真剣に考えるべきだと言う事を、改めて付け
加えさせて頂きたいのです。これらを良く理解した上で、将来遺伝病で苦しむ子達を少しでも
無くすため、皆さんのご理解とご協力を切望しています。
(この考えは、JAHDにも賛同され、JAHD最新パンフレットの中で活字になりました)
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